大人になってから知った家族の秘密
- 73 :70:2019/01/18(金) 22:24:58
 -  要約するとこう。 
 DはAとbが精神科に行くところを見かけたことがある。 
 「悲しませたことを謝りたいが、絶対許してもらえないだろう。償うことも後戻りもできない」 
 それがDの思いだった。 
 まだショックが残っているか気になるけれど、どうしても連絡をとる必要がある。 
 昔からDとfは互いに愛し合っていて、本来なら、結ばれないはずの父と娘。 
 eの浮気を知ったのはfで、真っ先にDに知らせた。 
 その後、DNA鑑定して、bはDとeの子だが、fはGの子だとわかった。 
 復讐と、叶わぬ夢が同時に果たせると思った2人は、確かに狂っていた。 
 Dは、bに計画を知られた時点で正気に戻ったが、後戻りできないという気持ちが強かったらしい。 
 2人の間には息子(I)が産まれた。 
 結婚できなくても、幸せだった。 
 最近になって、Dが癌に侵されていて、もう手の施しようがないとわかった。 
 そのときDは言った。 
 「お前にも謝りたい。本当の父になれていれば、お前も本当の恋を、幸せを追うことができたはず。 
 今からでも新しい男を探した方がいい」 
 それを聞いて、ようやくfも自分の間違いに気付いた。 
 fは産まれた子供と暗い過去を受け入れてくれる男を、何年かかっても探す。 
 音信不通にするつもりだったけれど、 
 いずれDの遺産相続のために、bと連絡を取らざるを得なくなる。 
 できれば、早いうちにbと話がしたい。そして悲しませたことを謝りたい。 
  
 最後にfの電話番号も書いてあった。 
 随分迷ったが、これをAはbに読ませた。 
 bはfに未練があったようで、会うことにすぐ決めたそうだ。 
  
 cとhのこともあって、Aは一緒に行けずずっと心配だったが、 
 2人とも昔の父と妹に戻っていたそうだ。 
 Dもある程度の元気は残っていて、 
 bに「すまなかった、見舞いに来てくれてありがとう」を泣いて繰り返した。 
 3人で話したことは、 
 fが子育てしつつ結婚相手探すのは大変だから、 
 Iはbと養子縁組を組んで預かり、 
 fが結婚したら離縁して返すこと。 
 但し、Iの意思も確認すること。 
 Iの養育費はbが負担すること。 
 その代わり、Dの遺産は4分の3をbが相続すること。 
 fも、もともとは騙されていた側だから更生させ、 
 そして幸せになるために協力したいから、 
 Iを受け入れることについてAを説得したそうだ。 
  
 
 
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